常に変化という渦の中にいた、IT業界のデザインとデザイナーの4年間を振り返る

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デザインメモが旧サイトと合わせて、4年になりました!
いつも読んでくださってる方、この記事が初めてだよという方もありがとうございます!これからもデザインメモをよろしくお願いします。

お礼はこの辺にして、この機会に「これまでの4年間」という歳月を振り返ってみようかなと思い、この4年間でIT業界におけるデザインとデザイナーの変化を、自分の肌感で書いてみました。

私自身、肩書はずっとデザイナーなのですが、職場や業界を転々としているので、今回はその視点を楽しんでいただけたら嬉しいです!

はじめに:私の経歴

これから私がどんな視点でこの4年間を振り返っていくのか知って頂くために、私の経歴をざっとご紹介します。

  • 2012〜2013 広告制作プロダクションで大手企業のLPやWebデザイン
  • 2013〜2015 自社サービス運営会社でアプリやサービスのデザイン
  • 2015〜2017 スタートアップチームで企画からのWebデザインやアプリデザイン
  • 現在はプロダクションエージェンシーでUXデザイナーという肩書きで模索中(※2017年に記事を書いた時の情報です)

IT業界のデザインとデザイナーの4年間の変化

今回はあえて調べ物をせずに、自分の過去の制作物をみながら肌感覚で「デザインの変化」と「それに伴うデザイナーに求められたスキル」に分けて思ったことを書いてみました。

※ この記事で、デザインやデザイナーといっているのは、おもにIT業界(Webやアプリ)の分野でのことです。

4年前:2013-2014

デザイン

Flashサイトの完全な衰退

iPhoneが一般ユーザーに浸透してきたことで、Flashサイトは一気に減少し、ほとんど見なくなりました。まわりではFlashのプログラミングを得意とするフラッシャーと呼ばれてた人たちは、慌ててJSの勉強をしていた記憶があります。

デザイナー

Webデザイン+スマホ向けのデザイン

スマホ向けのサイトを一緒に作ることが増えてきたため、デザイナーの手間が倍増したように思います。私はまだ新人だったので、メインデザイナーが作ったPC版のデザインのスマホ版を作ることが多かったです。

Flashが使えなくなり、まだリッチな表現を代用する術もあまりなかったので、Webデザインが面白くなくなったな…なんて新人ながら生意気に思っていました(笑)

3年前:2014-2015

デザイン

フラットデザインとマテリアルデザイン

iPhone6の登場で、デザインのテイストが一気にフラットデザインになりました。また、すぐにGoogleのマテリアルデザインも登場。

デザイナー

Webデザイン+スマホ向けのデザイン+UIデザイン

UIデザイナー(=アプリのデザインをするデザイナー)の需要が高まり、またスタートアップの企業もたくさん出てきたので、求人がUIデザイナーばかりでしたね。
でも、実際はアプリに使うパーツ作成だったり、イラストが描ける人を求めていたりと、言葉が乱用されているなという印象を当時は持っていました。

2年前:2015-2016

デザイン

パララックス効果やWebGLなどを使ったリッチなサイトが登場

Flashを使わずとも、パララックス効果やWebGLなどを使ったリッチな表現ができるようになってきました。でも、やっぱりリッチに動かそうするとまだまだサイトが激重でしたね(笑)

デザイナー

Webデザイン+スマホ向けのデザイン+UIデザイン+アニメーションの知識

この時から、ある程度デザイナーも知識や知見がないと動きのあるデザインにできないので、JSやjQueryを使った参考サイトを良く見ていた記憶があります。

また、フロントエンジニアやクライアントに、アニメーションやパララックスを使ったリッチな動きをどう伝えるか悩んでいましたね。

1年前〜現在:2016-2017

デザイン

Webやアプリのデザインは成熟期に突入

Webサイトは当たり前に持つようになり、アプリは全盛期から落ち着き、Webもアプリもデザインはほぼ基本の型が出揃ったような印象を受けます。

デザイナー

Webデザイン+スマホ向けのデザイン+UIデザイン+アニメーションの知識+サービスデザイン・UXデザイン

デザインが成熟期に入り、技術も進歩したりと、安易に誰もがWebサイトが持てるようになったことで、世間が“デザイナー”という職種に求めているスキルが変わってきているように思います。

まとめ:この4年間を振り返ってみて

Webやアプリの「見た目のデザイン」は、もうこの4年間のように変化しない

これからのWebやアプリなどのデザインにおいて、おそらく今までの日本のデザイナーが主力としてきた「見た目のデザイン」は、この4年間のような変化は大きな訪れないのではないか?と思いました。

上記で、デザイナーに求めらるスキルをどんどん付け足していっていたのですが、最後の1年前〜現在だけ「サービスデザイン・UXデザイン」と、他のスキルとは違う雰囲気を感じませんか?

それまではWebデザインから派生していくようなスキルだったのに、いきなりビジネスによった、見た目のデザインとは違う分野になっています。

「デザイナー」はもうひとくくりでは言い表せない

デザイナーのスキル、上記を見ての通り、最近はなんだかたくさんあって私自身もパニックになりつつあります。

だからこそ、デザイナーという肩書きのくくりの中でも、どんなことが得意なのか?というのが大事になってきたように思います。

また4年後、私含め世の中のデザイナーはどのような姿になっているのでしょうね。