ひと昔前は、SEO対策でおもに「Googeの検索順位を上げるための小技・裏技テクニック」的なものが流行っていました。実際に当時の私も反映して効果が出ていたのを見ています。
ですが、今ではしっかり質のよいサイトが上位になるように、Googleによって様々なアップデートが行われ、昔流行ったテクニックはむしろペナルティを受けるようになっています。
未だ、そんなひと昔前のテクニックを使ったWebサイトやSEO業者による行為が時々見受けられるので、Googleのスパムポリシーや公式ガイドを参考にしながら、なぜよくないのか?デザイナーとしても説明できるように、しっかり抑えておきたいのでまとめてみました!
(1)キーワードの詰め込み
昔は効果的だった理由「キーワードたくさん=重要」
以前は、特定のキーワードをページ内にたくさん入れることで、検索エンジンがそのページを「重要」と判断し、上位に表示されやすくなっていました。
今では逆効果の理由「キーワード詰めすぎ=スパム扱い」
現在、Googleはユーザーにとって自然な読みやすさや、文章の文脈を重視しています。キーワードを不自然に詰め込みすぎると、「質の低いコンテンツ」と見なされ、かえって検索順位が下がることも。さらに、読みづらいと感じたユーザーがすぐにページを離れてしまうリスクもあります。
また、Googleのスパムポリシーでも、キーワードの乱用はスパム行為として扱われており、ペナルティの対象となる可能性があることが明記されています。
リンクスパムの例:
- 実質的な付加価値のない電話番号の羅列
- ウェブページが特定の都市や地域に関する検索結果の上位に掲載されるようにするために、都市名や地域名を羅列したテキストのブロック
- 同じ単語や語句を不自然なほど繰り返すこと。たとえば次のようなものです
無制限のアプリストア クレジット。アプリストア クレジットを無償で提供すると主張するサイトは数多く存在しますが、すべて偽物であり、無制限のアプリストア クレジットを探しているユーザーをいつも混乱させています。この Web サイトでは、無制限のアプリストア クレジットを取得できます。 アプリストア クレジットが無制限の当社のページに今すぐアクセスし、クレジットを入手しましょう。(Googleのスパムに関するポリシーより引用)
参考 Googleスパムに関するポリシー「キーワードの乱用 」
(2)相互リンクやリンクを集めたサイトの利用
昔は効果的だった理由「リンクが多い=信頼性が高い」
かつては、リンクする代わりにリンクしてもらう「相互リンク」をしたり、リンクを大量に掲載した「リンク集サイト」にリンクを掲載することで、検索エンジンが「リンクが多い=信頼できるサイト」と判断し、上位表示が狙えました。
今では逆効果の理由「質より量のリンクはペナルティ対象」
現在は、リンクの「量」ではなく「質」が重視されています。関連性のないサイトとの相互リンクや、リンクを集めたサイトを利用すると、逆に「リンクスパム」としてペナルティを受けるリスクがあります。これにより、サイト全体の評価が下がってしまうことも。
相互リンクは関連性のあるサイトであればOKなのか?
相互リンクでも関連性があり、ユーザーにとって有益であれば問題はありません。ただし、SEOを目的にした過剰な相互リンクや不自然なリンクは、Googleのスパムポリシーでもリンクスパムとして明記されており、ペナルティの対象となるリスクが高まることは注意しておきたい点です。
参考 Googleスパムに関するポリシー「リンクスパム 」
(3)隠しテキストや隠しリンク
昔は効果的だった理由「隠れていても検索エンジンには見える」
白い背景に白い文字でキーワードを隠したり、ユーザーには見えない形でリンクをページ内に埋め込むことで、検索エンジンには見せつつ、ユーザーには見せないという方法が使われていました。
今では逆効果の理由「隠し要素はスパムとして検出される」
こうした手法は現在、検索エンジンにすぐに検知され、スパム行為とみなされます。最悪の場合、検索結果から完全に除外される可能性もあります。UXやアクセシビリティからの観点でも、ユーザーの体験に悪影響を及ぼすため、こうした手法は避けましょう。
隠しテキストや隠しリンクの例:
- 白の背景で文字の色を白にする
- テキストを画像の背後に置く
- CSS を使用してテキストを画面の外に配置する
- フォントサイズまたは不透明度を 0 に設定する
- 目立たない 1 文字(段落の中頃にあるハイフンなど)のみをリンクにすることで隠す
(Googleのスパムに関するポリシーより引用)
一方で、UXを高めるために意図的に行っている場合ももちろんあります。
下記は違反していないとして、Googleが記載しています。ここはUIを考えるときに、SEOに問題あるのでは?とよく指摘が入る部分なので、デザイナーとしてもチェックしておきたいです。
Googleのポリシーに違反していない例:
- 追加コンテンツの表示 / 非表示を切り替えるアコーディオンやタブ形式のコンテンツ
- 複数の画像やテキスト段落を切り替えるスライドショーやスライダー
- ユーザーが要素に対してなんらかの操作をしたときに追加コンテンツを表示するツールチップや類似のテキスト
- スクリーン リーダーを使用するユーザーのエクスペリエンスを高めることを目的として、スクリーン リーダーのみがアクセスできるテキスト
(Googleのスパムに関するポリシーより引用)
参考 Googleスパムに関するポリシー「隠しテキストと隠しリンク 」
(4)メタタグへの過剰なキーワード設定
昔は効果的だった理由「メタタグに詰め込むだけでOK」
メタキーワードタグ(meta keyword)に大量のキーワードを詰め込むことで、検索エンジンがそのページを高く評価する時代がありました。
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今では逆効果の理由「メタタグのキーワードは無効に」
現在、Googleはメタキーワードタグを検索順位に反映していません。むしろ、キーワードを詰め込みすぎると、スパムとして認識されるリスクがあるため注意が必要です。
参考 Google SEOスターターガイド「Googleが重要でないと考えること 」
(5)大量のコンテンツ追加
昔は効果的だった理由「ページ数やコンテンツが多いほど高評価」
以前は、ページ数を増やしたり、短期間で大量のコンテンツを作成することで、検索エンジンがそのサイトを「有益」と評価し、上位表示が狙えると考えられていました。
今では逆効果の理由「質が低ければ順位も下がる」
現在のGoogleは、ほかの項目でも出てきたように量よりも質を重視しています。ユーザーにとって価値の低いページや、AIやツールによる自動生成コンテンツは、低品質とみなされ、検索順位の低下やペナルティを受けるリスクが高まります。
大量生成されたコンテンツの不正使用の例:
- 生成 AI ツールまたはその他の同様のツールを使用して、ユーザーにとっての価値を付加することなく大量のページを生成すること
- フィード、検索結果、その他のコンテンツをスクレイピングして、ユーザーにとってほとんど価値がない大量のページを生成すること(類義語生成、翻訳、その他の難読化手法などを使用)
- 複数のウェブページからのコンテンツを、価値を加えることなくつなぎ合わせたり組み合わせたりすること
- コンテンツを大量生成したことを隠す目的で複数のサイトを作成すること
- 検索キーワードは含んでいるものの、閲覧者にとってほとんどまたはまったく意味がないコンテンツのページを大量に作成すること
(Googleのスパムに関するポリシーより引用)
参考 Googleスパムに関するポリシー「大量生成されたコンテンツの不正使用 」
最後に:ユーザーに寄り添ったコンテンツづくりのために
SEO対策としての小技や裏技は、当時からWebの業界にいた私はデザイナーとして、全然ユーザーに寄り添っておらず本質的ではないとげんなりしていました。
なので、本来当たり前であるべきである「質の高いコンテンツ作り」や「ユーザーにとって有益な情報の提供」がやっと評価されるようになってきた!とGoogleの大型アップデートが入るたびに感じます。
とはいえ、検索順位を上げたいために、人は小技・裏技に頼りたくなるものです。
そういうときに、デザイナーとして本質や目的を見失わないよう、SEO対策の知識やアップデート情報は常にチェックし、ユーザーを守るという意味ででも、いつでもクライアントや上長、他業種の人へ説明・議論できるようにしておきたいですね。