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本当にデザインには正解がないの?

2017.07.26

途方もないデザインの修正。あれをやったら、これをやれと言われ…人によっては意見が変わり、自分が信じて作ったものさえ否定される。

・・・もう、正解がわからないよ!!

デザイナー、誰もが苦しんだ経験があるのではないでしょうか。

「デザインに正解はない」とドヤ顔で言われても、私たちデザイナーは何かしら正解と思われるものを作らなければなりません。

そんなとき、私はこう考えます。

  • 1. 正解がないのではなく、正解は複数ある
  • 2. 正解がないのではなく、正解は自分で出してみる

1. 正解がないのではなく、正解は複数ある

Designer「メッセージを明確に伝えるために、デザインをシンプルにしました」
Director「なんか寂しい」
Client「もっと派手にして」

さて、とある案件でこんなことが起きました。
なぜデザイナーの意図が伝わらないのでしょうか?すごく真っ当なことを言っているのに。

でも、ちょっと離れて見てみて下さい。

目的に対して複数のアプローチ

じつはこの時、『メッセージを明確に伝える』という目的に対して、いろんなアプローチが考えられます。上の会話でデザイナーが作ったのはそのうちの一つで、『要素を削ぎ落として文字を見やすくしたこと』=シンプルにしたと解釈できます。

答えはそれだけではない、と考えてみて下さい。
下記は私が考えた『メッセージを明確に伝える』に対するアプローチの一例です。

“メッセージを明確に伝える” デザインのアプローチ例のイメージ
  • A:文字自体を見やすくして、メッセージを明確に伝える
  • B:文字を装飾して目立たせて、メッセージを明確に伝える
  • C:文字と写真を組み合わせて、メッセージを明確に伝える

A・B・Cどれも「メッセージを明確に伝えるためにこのデザインにしました」と言えるのです。

先程のデザイナーの意見がディレクターやクライアントに伝わらないのは、デザイナーがAなのに対し、ディレクターやクライアントが別のアプローチ方法、BやC、それ以外を想像している可能性が高いです。

このように『メッセージを明確に伝える』という目的に対して、デザインには答えがいくつもあります。

2. 正解がないのではなく、正解は自分で出してみる

では、いくつもある答えを、それぞれ考えられるアプローチに合わせてデザインを作れば良いのでしょうか?

さて、こうなった時には、もうデザイナーは複数案作っては修正し続けるというデスマーチに突入します。

そうならないためには、『正解を自分で出してみる』ことが必要です。
これは直案件でも2次受け案件でも同じだと思います。

デザインの根拠の必要性

どういうことかと言うと、先程のA・B・Cのいずれかを選ぶとしたら、その根拠が必要になります。

根拠がくっきりしていればいるほど、デザインは意味を持ったものになります。
なんとなく感覚で作ってしまうデザイナーさんはこの根拠がなく、デスマーチへ突入することが多いです。

例えば、Bのアプローチにするとしましょう。

Bを根拠にした時のイメージ
(1)なぜ可愛らしいフォントなのか?
  • ターゲットが女性・子どもだから
  • ブランドのイメージに合っているから

(2)なぜ赤色なのか?
  • リンゴを連想させる色だから
  • 温かい印象を与えたいから

と、例はごく簡単な根拠ですが、『なぜ?』そうしたのかをこんな感じで根拠を導き出します。『メッセージを明確に伝える』という目的に対して、根拠をもってBという答えを提示できるのです。

ビジュアル以外の方法での認識合わせ

なぜ根拠が大事なのかというと、根拠として出したものが、そもそもディレクターやクライアントと認識が合ってないことが非常に多いです。

また、ディレクターやクライアントは、デザインというビジュアルで話しをするよりも、根拠で出したことの方が話しやすいです。ビジュアルではあまりにも感覚的過ぎるのですね。 デザインのレビュー会があっという間に、絵画の鑑賞会みたいなことになってしまうのです。

まとめ

Photo by Aleksandr Ledogorov on Unsplash

デザインに正解はありません。

でも、そこを面白がってできる人は、きっと正解がない=ゼロではなく複数あることを知っているし、正解を自分なりに導き出せる。と思っているのではないのかと思うのです。