デザインの薄い本こと「DESIGNMEMO MAGAZINE」を皆さんへお披露目&発送開始してから1週間が経ちました。
現時点で80冊以上が私の手元から旅立ちました!わー!
現在ネットで販売をしているのですが、関東だけではなく全国各地からご注文頂いていて、改めてネットってみんなに繋がってるんだな…と、しみじみしながら梱包作業をしています。
手にとって頂き、本当にありがとうございます!!
ひと息ついたところで、改めて今回の私が始めた「#デザインの薄い本を作りたい」企画を振り返ってみよう思います。
スズキアユミが作成した、デザインに役立つ内容をまとめた小冊子です。
今回の号のテーマは「はじめてのポートフォリオ」。
おもに旧デザインメモで書いた、ポートフォリオにまつわる記事を再編集して1冊にまとめています。
こんな人におすすめです。
- ポートフォリオを作るのが初めての人
- ポートフォリオを作り始めたけど挫折しそうな人
- (とりあえずスズキを応援してやるぜ!という人)
【ネット販売先】
BOOTH(Pixiv)またはSTORES
1. 経緯:デザインの薄い本を作り始めるまで
1-1. 自分の時間を持つようになった
私は去年の9月に転職をしました。
今まで新卒からずっと「プライベートよりも仕事!」な仕事人間でした。
デザイナーになって6年目にして、そこそこ実力も付いてきたのと同時に、どこか人生そのものに疲労を感じ始めていました。
何かぽっかり心に穴の空いたような・・。昔からかなりメンタルが弱いので、仕事も安定せず、体調や精神的な起伏の波も激しく、仕事でなんとか成長はしてこれたけど果たしてこれで自分はハッピーなのだろうか・・?
「少し動きをスローにして、自分の時間を持ってみよう」
そして、仕事より自分の時間を持てることを優先させた、今回は私なりにかなり覚悟のいる転職でした。
1-2. 何かを作りたくなってきた
転職してから3ヶ月ほど経ち、自分の時間を持つことにも慣れてきていました。
そこで、小さい頃からもともとモノづくりが好きだったので、何か久々に作りたい欲も湧いてきたのです。
- ZINE(小冊子)作りたい!
- 一度諦めたイラストをまた描いてみたい!
- デザイナーを目指し始めた人向けに、デザイナーをもっと夢のある職業にしたい!
- 仕事以外で何か作りたい!
こんなやりたい!ことが頭の中を渦巻いているときに、以前ツイッターで話題なっていた、ナユさん(@nayucolony)の「ゼロからはじめるgulp入門書」が頭に浮かびました。
・・・デザインの薄い本だ!
そして、帰りの電車に揺られながら
デザインの薄い本作りたいな。ポートフォリオの作り方とか、フォントの話とか。
— スズキアユミ (@ayumidesign) 2017年12月12日
とTwitterでつぶやいたところから、すべてが始まりました。
1-3. 背中を押してくれた周りの存在
上記のつぶやきに、YATさん(@yat8823jp)が反応してくれました。
マジで買いますよ!
なんなら自分も出したい欲出ると思うし、楽しそうです。(*´ω`*)— YAT (@yat8823jp) 2017年12月12日
そして、その後のnoteで進捗報告を作る場所を作ったぞ!とツイートしたところ、とてもたくさんの方に「いいね!」を頂いて、これはもうやるっきゃない!!と完全にエンジンがかかりました。
noteに場所つくってみた!薄い本ちょっと本気出す。→ #デザインの薄い本を作りたい 【進捗報告】|デザインメモ|note(ノート) https://t.co/sqx6WO67tE
— デザインメモ (@designmemo_jp) 2017年12月13日
1-4. 何よりも自分がワクワクした
じつは、この企画を始めるのに、もう一つ理由がありました。
私にはこのブログともう一つ、旧デザインメモと呼んでいるブログが存在します。
こちらのブログは、私が新米デザイナーの時に始めたブログで、名前のまんまですが「自分のメモ」的な感じで更新をしていました。
そしてデザイナーとしてキャリアを積んで6年目。自分の書きたいことと、このブログの方向性がどうも合っていないように感じ、自分としての次のバージョン!という意味合いも込めて、「デザインメモ 2.0」を開設したのが、去年の5月のこと。
それから旧デザインメモの更新は停止していたのですが、3〜4年前の記事が未だにアクセスが多く、記事を一つ一つ書き直すかを悩み始めていました。
また、同年12月にはAdobe Students Japan(@AdobeStudentsJP)のTwitterでも、旧デザインメモの記事を取り上げて頂きました。
今日12/12は漢字の日ですね。そんな日にちなんで、Illustratorで漢字の異体字や特殊記号を探す時に便利な方法を紹介(*^^*)⇒https://t.co/R6oKrR1ZSR 特殊な字形のフォントは、利用できるものがバージョンやOSで異なりますので要注意! pic.twitter.com/hZF60pweyd
— Adobe Students Japan (@AdobeStudentsJP) 2017年12月12日
古い情報のまま掲載していることに責任を感じつつも、でも、書き直すことに自体にあまり胸が踊らなかったのです。
あくまでもその時の「私の等身大のメモ」だったから、なのかもしれません。
でも、「デザイナーを目指す人やデザイナー初心者さんたちの未来を楽しいものにしたい」という想いはありました。そこで、この「デザインの薄い本」を思いついた時、その想いをこっちで表現できるのでは?!と。
マジすか…!でも、結構本気度高めです😎
最近古いブログを再開するかどうするか悩んでたんですが、それよりも新しい形でデザイン始めたての人たちにアプローチした方が、自分も楽しそうだと思い!
— スズキアユミ (@ayumidesign) 2017年12月12日
記事を書き直すよりも、新しい形でアクションを起こす方がワクワクしました!
2. 実行:デザインの薄い本を入稿するまで
2-1. 昔諦めたイラストに挑戦した
デザインの薄い本を作るにあたり、小冊子を作る挑戦ともう一つ、先ほどのやりたいことの中の一つにあった「イラストを描く」というのを自分に課しました。
イラストは昔から描くのが好きだったのですが、漫画っぽいイラストを描くのは専門学校を境に「周りに上手な人がたくさんいるから私は描かなくていいな〜」と思い、諦めていました。
でも、やっぱり好きなものは好きなんですね(笑)
久々にイラストの練習もしつつ、デザインの薄い本作りを進めていきました。
実際、Illustratorでイラストを描いてみたのですが、意外と自分に合っているかも!と発見があったのが面白かったです。
イラストもこれをキッカケに、これから楽しんで描いていく意欲が湧いてきました。
2-2. 期限を決めた
今回、すごく大事だと思ったのは「期限を設定する」ことでした。
期限を設定していない状態だと、だらだらやってしまいますしね。私はとくに・・笑
この企画を後押ししてくれたYATさんが、東京で交流会をやるということで、その交流会で自己紹介のライトニングトーク枠を設けていました。
「これはぜひとも交流会でこの本を発表したい!」と思い、そこに向けて完成させることにしました。
ばっちりライトニングトーク枠に申し込み、もう逃げられない状況を作ったのでした。
2-3. 入稿するまでの工程
▼ 今回は下記のような流れで作成しました。
- (1)手書きのラフスケッチでなんとなく全体の構成をイメージ
- (2)Adobe XDを使って(1)のラフスケッチをもう少し具体的にする
- (3)InDesignでデータ作成
- (4)印刷会社へ入稿
▼ ちなみに実際の日付に当てはめるとこんな感じ。実際にがつがつ制作したのは年末年始の休み期間でした。
- 12/12 意思表明、手書きのラフスケッチ
- 12/13 XDでラフ作成
- 12/15 表紙イラストの練習開始
- 12/20 XDで表紙のデザインを考える
- 12/29 XDでおおよそのページ構成が決定
- 12/30 InDesignで本番データの作成開始
- 01/04 InDesignで7〜8割ほど進む
- 01/06 表紙が完成
- 01/07 一通り完成し、無事脱稿→入稿
noteやTwitterを利用して都度、進捗報告もしていました。モチベーションを維持するのにとても良かったです!
3. 発表:デザインの薄い本をお披露目するまで
3-1. 価格の設定
いよいよ入稿した実物が届きました。
キターーーーー!!!#デザインの薄い本を作りたい #進捗報告 pic.twitter.com/UJTbOm4vfd
— スズキアユミ (@ayumidesign) 2018年1月14日
当初、1冊500円にするつもりだったのですが、実物をみて思ったよりもペラいと感じ、「これは自分でも500円では買わないわ・・」と思ったので300円に変更しました。実物みてから最終的な値段設定したのは正解でした。
この価格設定は、コミケなどの同人誌の値段や、デザインフェスタで買ったイラストレーターさんの冊子も参考にしていました。
今回、フルカラーの本文16ページでしたが、中身がもっと充実していたら500円にできたなと思います。なので、単純に物の印象だけでなく、中身の充実感も考慮しました。
今回は手に取りやすい価格にしたかったので、その辺も考慮して紙選びをしました。注文した印刷会社はグラフィックです。ここは紙の種類が豊富なので、紙にこだわりたいときはオススメです!
今回使用した紙
- 本文:マットコート90kg
- 表紙:マットコート135kg
表紙を本文よりも厚いものにしました。実物を持っている方はご覧の通り、本文のマットコート90kgだと少し裏が透けているので、表紙を厚くしたのは正解だったなと思いました。
機会があれば、レトロ印刷JAMも使ってみたいなと思っています。本文をモノクロ印刷にするなら、味が出て良さそうです。
3-2. 販売先の決定
発売日と決めていた日よりも前に届いたので、BASEでネット販売を先行して開始することにしました。BASEを選んだのは、無料で気軽に販売ができるからです。
Pixivが運用しているBOOTHは後から登録してみました。BOOTHの方が使いやすそうだったので、今後はBOOTHに完全移行するかもしれません!
→ 現在はBOOTHとSTORESで販売中です!
BOOTH(Pixiv):https://designmemo.booth.pm/
STORES:https://designmemo.stores.jp/
3-3. ライトニングトークでの発表
いよいよ発売日と設定した1月20日(土)。
YATさんの交流会に参加してライトニングトークを行いました。会社ではやったことがあったのですが、外では初めてのライトニングトークでした!
いろいろ喋りたかったのですが、5分だったのですごく簡単に紹介しようと思ったら、3分半ぐらいで喋り終わりました(笑)
▼ 使用したスライド資料です。
その場でも、参加していた皆さんに買って頂いて、中には私の進捗報告をみて楽しみにしてくれていた方もいて泣きそうでした・・。
ネット販売ではわからない、皆さんが手に取ったときの反応を見れたもの良かったなと思いました!
ちなみに交流会はとても楽しかったです!主催者のYATさんがご自身のブログでまとめてくださっているので、ぜひ。当日はTwitterで「#yatblog」もトレンド入りして盛り上がりました!
まとめ:良かったこと・改善したいこと・今後やりたいこと
良かったこと
1)自ら行動することの自信につながった
こうやって自分発信で何かをやるというのは、なかなか今までやってこなかったので、多くの皆さんに手にとって頂いて、未だに結構上の空な感じです(笑)
でも、「自ら行動する」ということにとても自信が湧いてきました。
そのおかげか、じつはこの企画をやり始めた年末年始あたりから、デザインの仕事もいろいろ会社やプライベートでもワクワクすることが続けざまに起きていて、転職してから始めてポジティブな気持ちになっています。
これからが本当に楽しみ!
2)誰かを本当の意味で応援する大切さを知った
こうやって本が完成できたのも、YATさんをはじめ、皆さんの応援のおかげでした。改めて本当に本当にありがとうございます!
交流会のライトニングトークでもちらっとお話したのですが、私が好きなTEDトークの「最初のフォロワー」の大切さや重要さを実感する出来事でもありました。
私も誰かのフォロワーになりたい!こうやってどんどん縁が広がっていくのは素敵なことだなと思いました。
改善したいこと
1)中身をもっと充実させる
今回はとにかくやりきる!ことが目的だったので、中身は詰めきれていませんでした。でも、まずは完走してみたことで、だいたいの感覚をつかめましたし、今は早く次を作りたい気持ちでいっぱいです!次は特集や企画を組んだり、ゲスト枠とか設けたいなと思ってます。
2)価格の設定
BASEの手数料を見落としていたのと、調子にのっておまけでステッカーもつけたので、正直300円だと赤字になるかならないかのギリギリなところです・・。(自分の工数考えたら完全に赤字ですw)次回は中身を充実させて、自分の納得のいく500円で販売できるようにしたいです。
今後やりたいこと
1)もちろん次号!
次の号も絶賛やる気まんまんで考え中です!また動き出したら進捗報告します!
2)別冊で遊びたい!
DESIGNMEMO MAGAZINEはコンセプトとして「デザイナーを目指す人やデザイナー初心者さんたちの未来を楽しいものにしたい」というところからはこれからも外さずにいきたいと思ってます。その一方で、今回みなさんの反応を見聞きしていて、もっと遊んだのも作りたいな〜!と思いました。なので、何か別冊など別の形でスズキのデザインにかける変態的なワールドを展開できたらいいなーと!
3)デザインの薄い本を展示販売するイベントの企画!
デザインの薄い本、いわゆるデザイン関連の小冊子やZINEのようなものを作りたい人を増やしたいのと同時に、そういう場が作れたら楽しそうだなと思ってます。なかなかデザイン関係のそういったイベントは少ない感じがしています。
やりたいことたくさん・・!
この勢いをどんどん継続できるように、楽しみながら頑張ります!